If we look at the world around us from a slightly different angle, today would be a little more fun.

Love Letter Project 2011 (2)

はじめに、先日の記事は色んな方にご紹介いただいたようでありがとうございます!びっくり!時間が出来たので今日は、書きたいと言っていたワークショップのお話を。



15日にうかがった「Love Letter Project 2011」で行なわれていた紫舟さんによるワークショップ。とにかく驚いたのは、私がイメージしていた書道とは全く違ったこと。ワークショップの話をする前に1つ動画を紹介します。紫舟さんが『華道家 假屋崎省吾の世界IBUKI 息吹~』のオープニングセレモニーで描いた作品です。




ほえー…、とただ感心してしまいました。なんと裏から書いているんですね。もちろん本人からしたら左右反転させて書いているはず。もちろん紫舟さんはプロの書道家なので失礼かとは思いますが、なんというバランス感覚。そもそもこんな書き方って思いつくでしょうか?書道というより本当にショーですね。魅せるということにすごく力を注がれている。

実は紫舟さんを知ったのは最近のことで、このような書の表現があることも知りませんでした。カラフルな墨汁、紙の両面から描くスタイル、白抜きで浮かび上がる文字。どれもとても新鮮です。裏側がすごく気になります。NHKの「龍馬伝」題字を書かれたことでも有名な方です。


  さて、「書でつづるLove Letter」についてお話します。実はインスタレーションを見るために恵比寿へ伺ったので、ワークショップの見学は予定外のことでした。ふらふらと外から覗いていたら、よろしければ見学どうぞと中へ入れていただけました。"書"についてのワークショップを間近で見るのはもちろん初めて。なにやら会場は楽しそうな顔ばかり、穏やかな雰囲気の中で親子連れや友達同士など、色んな方が筆を握っていらっしゃいました。

 私が見学させていただいたのは後半から。講師である紫舟さんが出すテーマに合わせてみなさんが文字を書いているところでした。そのテーマが本当にユニーク!

「文字が思いっきり笑っているように」
「天使になったつもりで」
「三歳児の頃に戻って」

など、なんだか絵の教室みたいだなぁと。そして参加者の方が書く文字もまたユニーク。筆を細く使ってみたり、左手で書いてみたり。細かな点を繋げて文字にする人も。素敵。1つとして同じものはなく、それぞれに表情が見えるたくさんの文字。皆さんイラストを描くように楽しそうに筆を走らせていました。私だったらどう書くかなぁなんて想像しながら拝見していました。


そして最後に「書でつづるLove Letter」を書きます。大きな真っ白い半紙に大切な人への想いをこめた手紙を。正座をし深呼吸で気持ちを落ち着かせます。目を閉じてラヴレターを送る相手のことを想う、その大切な人へのありがとうで心が満ちたら書を書き始める。お手本を見て真似るだけが書ではないのですね。自分らしく心を込めて書くものこそ本当の"書"という感じがしました。

それまでは隣同士わいわいと会話を交わしていた雰囲気が一変。それぞれが大切な人への想いを込めて真剣な表情を浮かべていました。1文字1文字に気持ちを乗せて、慎重に筆を動かします。その様子になんだか私もドキドキ。そういえばラヴレターなんてもうずっと書いてないや。

でね、やっぱり手書きっていいなと思った。 私が手紙だったりハガキだったりを好む理由を再確認出来ました(当然キーボードを打つの方が多いのだけれど)。手で書く文字ってやっぱり暖かみがあっていいよね。自分の一部が相手に届くような感じ。久しく手紙を書いていないという方が多いのではないでしょうか。 ひょっとして年賀状以来なんて方もいらっしゃる…かも?


私が最後に手紙を書いたのは2週間ほど前。夏から関わっているある雑誌の最後の原稿を郵送する際、手紙を添えました。メールでいいような他愛もない文章ですが、気持ちを込めてかけるのはやはり手紙かな、と。文章を書いている間にもあれこれと相手のことを思ったり、ふと思い出したことを付け足してみたり。そんなことしてるうちに気付くと便せんが3枚になっていたり。時間をかけて書けるのもまたいいものです。いつも使っているボールペンじゃなく、ちょっとお高いいただきもののペンを使うと、なんだか文字までかしこまってしまったりするんです。なんでだろ、改まったペンだと緊張するんでしょうか…そういうちょっとした自分の変化もすごく面白い。そんなわけで手紙を書く機会を虎視眈々と狙っている私です。


話がそれてしまいましたが、ワークショップを見てもっと手紙を書きたくなりました!最後に参加者が、自分が書いた手紙を読んでくださいました。少し照れながらも、みなさんはっきりした口調で素直な気持ちを綴った書を読み上げていました。お子さんからパパママおじいちゃんおばあちゃんへの手紙、娘から両親への手紙、息子から亡き父への手紙、もうすぐ家族になる最愛の人へ向けたプロポーズのような手紙。なんだかうるりとしてしまいました。

学生時代使っていた書道の道具は屋根裏のどこかへいってしまいましたが、ペンでもマーカーでも出来ると思います。普段なかなか言えない感謝だったり素直な気持ちを、ちょっと文字にしてみる。家族や友達や恋人に宛てて、「ありがとう」を書きたくなりました。ぜひ皆さんもどうでしょう。これだけ間近で書の面白さを見てしまうと、やっぱり筆と墨で書きたくなっちゃうのだけれど。今夜は少し、机に向かってみてはいかかでしょう。




 最後に1つ動画を紹介します。紫舟さんが書いた「生」という字を元にチームラボが製作したインスタレーション。これは第54回ヴェネツィアビエンナーレの関連企画展『Future Pass』に出展された映像です。『生命は生命の力で生きている』力強いタイトルの作品です。




今回のLLP会場で拝見しました。この“書”を三次元で再構築するチームラボの「空書」は元々とても好きなシリーズで、今回初めて生(?)で見ることが出来てとても嬉しかったです!大興奮!(でも1人で興奮するのも恥ずかしいのでスカした顔してまじまじ見ました。笑) この「生命は生命の力で生きている」、東京では初めての展示。見に行けて本当によかった。

3Dで描かれた「生」という文字が四季を追うように変化していきます。内側から生命が溢れ出すよう。草木が茂ってくる辺りが大好きです。もののけ姫に出てくるあの神様、なんでしたっけ、命を生かしも殺しもするあの神様。なんとなく近い雰囲気を感じます。四季が巡り、命も巡っていく、刹那ではあれど途絶えることはない。とても美しい"書"。ぜひ機会があれば間近で見ていただきたい作品です!


と、2つに分けて記事を書きました。ずいぶんと長くなってしまいましたが読んでいただいてありがとうございます。こうしたレビューのような記事はあまり下記慣れないので、この興奮を上手く伝えることが出来たかどうか少し不安です。でも書いて良かった!ちょっとでもこの気持ちをおすそわけできていたらいいなぁと思います。

さ、買い物に行かないと。気付いたらもう6時。ばんごはんの支度がまだ整っていないのです。今日も素敵なことがあったのでまた後ほど書ければと思います。みなさんばんごはんはもうお決まりですかー?

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